ジーコと日本の4年間・・・

2006年06月14日 00:27

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FIFA world cup Germany 2006
Group F 1st leg

JAPAN  1-3 AUSTRALIA
GOAL JPN;28'NAKAMURA
AUT;39'・44'CAHILE 44'ALOISI






最近代表にしろ、札幌にしろ、東京にしろ、試合雑感に関するブログには文句ばっかり書いていないので、正直同じようなことを書き記すのが嫌になってきている。


ただ、この苦い記憶は忘れてはいけないし、自分の為にも書き留めておく必要があるだろう。
以下、予選敗退したかのごとき文章が続く(書き終わってから気付いた)けれども、厳しいながらもまだまだ決勝Rへの見込みは残されているわけで、私も望みは捨てていない。
絶対に修正して、クロアチア・ブラジルに連勝するのだ。
ただ、正直言って世界に見せたくないサッカーだった。
以降粘着質な愚痴も含めて。


昨日の試合はジーコ体制4年間の集大成がまさに、「正しい形」で現れたと言える結果だったと言える。


まずゲームプラン。
試合を通して、攻撃の軸をドイツ戦でうまく行ったカウンター、守備は両サイドからのクロスを上げさせない為にも5バック気味に対応。3トップで来るであろう(実際には2トップだったか?)相手に対し5枚で守り、万が一クロスが入った場合は余っているCB2枚のどちらかもフォローに入る形で対応しよう、としていたと想像する。


攻撃については、カウンター中心とすること自体はいいプランだった。日本の好ゲームは過去カウンター主体とせざるを得ないゲーム展開の中で生まれている。昨日もFW、WBを走らせる形でスピードに弱い相手DF陣を切り裂けるチャンスは数度あった。
守備に関しては、クロスは入れられたものの高さ対策に関して言えばそれなりに上手く対応できていた。
ヘディングからの決定的場面は試合を通じてなかったと言える。


しかし、実際には前半のオーストラリアはハイボールというよりはしっかりボールを回して、キープして、日本陣内へ押し込んでいきビドゥカへの丁寧な楔からペナルティエリア付近での連携から決定的な場面を数多く作った。
日本はボールを奪えず、止むを得ず完全な5バック気味になり中盤で相手に自由なプレーを許してしまった。
その結果、攻撃面でも人数の足りない中盤でチェイスせざるをえないFWの負担が高まり、且つカウンターに入ろうとしてもスタート位置が低く、全体の押し上げも遅くなり、結局相手DFに上手く対応されてシュートまで至らない場面が多かった。
後半に日本の中盤より前の選手が皆バテてしまったのは、このせいである。


過去の日本の好ゲームは~と書いたけれども、そうなったのは意図して引いたわけでは無く、結果としてそうなった(ドイツ戦もそう、あのコンフェデブラジル戦だって)わけで、あくまでも引かずに中盤のプレスを試みた結果のカウンターなりショートカウンターだった筈。
それを欧州予選で弱小国がやるような、ベタ引きのカウンターサッカーを日本が過去試みたことがあったのだろうか?
それよりなにより、もとを正せば「黄金の中盤を生かした、自由で攻撃的なサッカーを目指す」という崇高な理想を掲げたジーコのコンセプトの集大成が、大会数週間前に成功して思いつきで取り入れようとした、かように惨めなスタイルでの敗北かと考えると、昨日の試合は正しく「いきあたりばったり」の4年間を象徴した試合だったのではないだろうか。


後半、焦ったオーストラリアがロングボール主体になって来てくれて、正直助かったし、それを跳ね返しての中盤からのカウンターは有効だった。しかし、前半見られたような早く相手陣内に運ぶという意識よりは、出来ればボールを失わずに、という意識の方が強いように見え、スタミナの落ちた相手DFを結果助けてしまった感がある。
そうなったのも、これは中継で聞いたが、ジーコのHTの指示が「1-0で勝っているチームのプレーをしよう」というものだったからだと言える。ありえる策だが、ワールドカップの舞台で先制後約70分近く守り切れるほど、日本のサッカーが成熟しているわけも無く。
それどころか、わずか数年前に「日本には守備の文化がない」とトルシエに一蹴されているのである。


そして次第に中村・中田・福西・高原のスタミナと集中力が切れかけており、簡単にボールを失うシーンも多くなってきた。
いよいよ前半に打ったボディーブローが効きはじめ、効果的な選手交代を済ませたオーストラリアが俄然押し始める。
ここで投入したのが、まだまだ走れる柳沢に変えて小野?????
今日のネット、新聞上の論客の中でもっとも議論の中心となっている部分。いや、議論というより皆同様に「ありえない」と。
こういう展開で必要なのは、絶対に前線のチェイスとカウンター時のキレを出す為にフレッシュなFWを入れること、もしくは中盤の守備の建て直しにベンチにあまり余っている筈のボランチの投入、もしくはサントスを上げてCBと中田コを投入した4バックだって考えられたはず。


しかし、守備に強いわけでもなく、スピードがあるわけでもない小野。結果、ボールは彼の頭の上を行ったり来たりだった。恐らく、ジーコとしては中盤を厚する意図があったのだろう。しかし、少しサッカーを知っている人間なら、人数を増やすこと=守備固めには絶対にならないことを知っている。この交代はもしかすると永遠の謎となるのかもしれない。


そして逆転されてからの大黒投入。残り時間ロスタイムのみ。既にジーコのデフォルトとなった「リアクション采配」。
「勝っているチームはいじらない」鉄則を元に、体力面の考慮はなく(過去より短い試合間隔・怪我人・病人を全く考慮しない選手選考で物議を醸してきたきたとおり)、状況が一変してから慌てて投入するところは、就任以降唯一一貫した采配だったのは評価?に値するのかも。


そして、代表の練習なのに基本的なシュート練習を最重要視し取り入れた結果、シュート数は6、且つ決定的場面での枠内シュートは無かった。なんとも皮肉な結果だ。


ヒディングについて想像していたのは、恐らく韓国の時のように複数ポジションをやらせたり、時間を掛けてタフなフィジカルを鍛えてくる時間は無いはずだから、恐らく奇策に来るのではないか、と思っていた。が、至極当たり前な采配と(ただエルゴラッソによれば、守備時は3バック、攻撃時は4バックとしていたようだ)仕掛け(日本の体力を消耗する)、選手交代で最後の逆転劇を呼び込んだ。
それだけに、4年間もかけて、ロジックを大事にせず、相手のサッカーを研究せず、ファミリー論と精神論のみで運を手繰り寄せ、「結果」のみを重要視した全てのツケをようやく払った舞台の大きさに落胆する。


昨日のとあるバラエティ番組を見ていて笑ったフレーズから思いついたのだが、この4年間はジーコに対する国民の「ながーいノリ突っ込み」だったと想像したりもする。

そしてトドメは試合後のジーコのインタビュー。
前略
……勝負のポイントになったのは?
「日本はチャンスがあった時に決めなければならなかった。オーストラリアがロングボールを入れ、こぼれを拾ってゴールにというパターンに来るのは分かっていたが。ロングボールを入れられるとディフェンスしようがなかった」
いや~勝負のポイントが「ロングボール」だったとまだ思っているなんてね・・・
中略

……最大の敗因は?
「負けたのは精神面というよりも技術的なことだ」
それは、自らの無能を語っているのですか?



プレーしたのは選手であり、昨日の敗因自体はジーコによるものだけではない。
神だった川口が一瞬いつもの、不用意な飛び出しをしてしまった同点シーン。やっぱりシュートは選択しなかった柳沢。ランパードやジェラードなら10回打って10回枠に飛ばすであろうミドルを外した福西、気持ちばかりが先に言ってパスの精度が極めて低かった中田、ドリブルで仕掛けて相手に取られたあと、あろうことか相手に背を向けて自らのポジションにジョグで戻るアレックス。
それぞれの個々のプレーに不満はあった。けれども、この4年間宮本と中田を中心に、まかされっきリであった選手達の苦悩と、選考における無意味な序列による不遇を考えると、選手を攻める気にはどうしてもなれない。


次のクロアチア戦に向けて、選手達はまずメンタルを切り替えることを第一に、恐らくは同じようなゲームプランを練っていたものを修正していかなければならない。5日間はその為に十分な時間だ。選手達を信じたい。


そして、想像もしたくないが、仮に、万が一、予選敗退となった場合、全ての責任を取って川淵はワールドカップ終了後、フランス時の長沼さん同様に、潔く会長職を辞任すべき。


それから。
これもとあるサイトから一文を引用した形になるが、
「戦前から翼賛的な傾向のあった日本らしく」、トリノ五輪同様、冷静な分析も無く勝利を煽るだけ煽ったメディア。
これだけ決定的な負けをしたにも関わらず、試合内容について正確に敗因を突き詰めようとする番組はほとんど無く、サポーターの落胆振りと「まさかの」を繰り返し流すのみ。
この辺も変えていかなければ、サッカーは勿論日本のスポーツの進歩を止めることになる気がしてならない。
これもクロアチア戦以降の改善を望みたい。
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