2006年のトラウマが消えた日

2011年02月01日 23:02

最多4度目のアジアカップ制覇、見事でした。


韓国戦以降、各報道番組も一斉にアジアカップ一色になり、
同じ内容での極端な過剰報道の為、若干食傷気味にはなりつつありますが
それもまた嬉しい。



決勝戦、観ていて面白かったポイントがいくつもあるのですが、
3日も経っててくどくど書くのもなんですが、まあ改めて。



日本は韓国戦での代償が大きく、前半から守備ではプレスの一歩目が遅く後手後手、
攻撃では前線の裏を取る、又は受けに下がる動きと3人目の動きが殆ど無い為
足元でしかボールが回らず。長谷部、遠藤のミスパスも散見され必然的にオーストラリアペース。



オーストラリアはボールを回してサイドのある程度の位置に運んだら
高いボールをツートップのケーヒル、キューウェルへ放り込み、高さと連携の弱いCB・GKのスキを
伺うという戦術一本。これを120分間徹底してやってきた。
皆そこそこ技術はあるのにも関わらず、アジアでは絶対的に負けない体格のみを活かす為に、
日本が持つ4年前ドイツでのトラウマをも利用して、「いつか日本は必ず崩れる」という信念の元に
一丸となってぶつかってきた。



その徹底した戦い方は賞賛に値しますね。
さすがオジェック。こういうつまらないサッカーで勝負に徹したならば非常に強い。
ただ、こういうサッカーをされるとこちらはこちらで燃えてくるわけで。
私の偏見かもしれないが、ケーヒルやキューウェルのどこか見下した様な目を見ていると
この徹底した戦い方はアジア諸国への挑発とも受け取れる訳で、こちらとすれば
絶対に負ける訳に行かない、と思う訳で。そして、結果負けなかった。
韓国戦でフィジカル勝負のシュミレーションが出来たのも大きかった。



韓国戦で戦術的交代の側面でザックに不満をあげた私でしたが、
後半の藤本⇒岩政の交代による打開は「おみそれしました」としか言い様がありません。



岩政が準備している段階で、単なる高さ対策として内田と交代で今野を右SBにするかな?
と思ったのですが、長友を一列前へ上げるとは。。。
しかも、一旦交代を見送ったのは今野アンカーの4-3-3へのシフトを考えていた、とのこと。
いやー、面白い!
A案である4-3-3でも守備面のみを考慮すれば、十分機能したと思う。
そのプランをやめてB案を出したことが面白い。
昨日の「スポルト」によれば今野がボランチに行くことを拒否し、それを受け選手から出た
アイデアだったようで。それもまた興味深い話ですが、最終的に決断するのはザックである。
長友のウイングは東京で徳永との「ゴリラ直列」で有名な通り実績あるし、チェゼーナでもやっている。
このB案が結果的には岩政の投入は高さに対しては以降ケーヒルを見事に潰したのは勿論、
攻撃面での効果が大きかった。



香川の欠場は決勝を迎えるオジェックにとって最高のニュースだったと思う。
香川に足元の弱いDFラインを縫われることが、最大の脅威だったからだ。
藤本は同タイプながら香川程のキレやスピードは無く、この日の連動性の無い日本の前線では活きなかった。
しかしタイプは違うもののスピード&フィジカルモンスターである長友が前線に入り、
縦のスピードで勝負を何度も仕掛けたことは、香川同様の脅威を与えたと思う。
結果、エンドラインに近い位置まで進入しての左足クロスから、見事なバックステップからの
スペース作りでフリーとなり、押さえの利いたダイレクトボレーを放ったチュンソンがヒーローに。




各メディアで各試合での要所のゴールが交代選手(岡崎、伊野波、細貝、李)というポイントのみで
「ザック采配的中」と持ち上げているところが多かったが、それはまあ偶然だろうし、
そこを必要以上に評価しちゃうと根本的に何かズレていく気がします。
ただ、話によれば出れない選手とのコミニケーションを重要視しているとのことで、
チームとしてのモチベーションの維持に腐心する、監督のスタイルの一つの結果なのでしょう。



チュンソンは見事美味しいところを取ったにも関わらず、インタビューでは空回りし過ぎて
少々痛かったwwが、色々あったけれどこんな大舞台で報われて良かったなあ。。。



本田のMVPは妥当。但し、点を取らない本田は魅力が半減する。
この大会は仕方の無い面もあったが、今後プレーが中田化して行ってしまうとしたら
まだ早過ぎるし、またヨーロッパの舞台で前目のポジションで点を取ることに拘って
プレーを続けて欲しい。



チーム全体としては多少ワールドカップ組の完成度と若手の融合に苦労したものの、
イヤという程南アで「チームとして団結して戦うことの意味」を知っている長谷部を中心として、
初戦のヨルダン戦を良い教訓としながら一つに纏まり、結果苦しい戦いの全てに打ち勝った。
内容については当然不満もあるが、ブラジルまで3年半ある段階で得た、
重要なタイトルマッチでの経験値としては最大限満足行く内容だった。そして優勝という結果も得た。
選手達はこれからヨーロッパに戻ったり移籍したり、休養を取ってから来るべきJの開幕へ準備したり
様々ではあるが、取り合えず今は「おめでとう」と「お疲れ様」を言いたい。



それにしても。
後半キューウェルが消耗し交代、ケーヒルが徐々に沈黙していったのを見るのは痛快だった。
あの2006年、僕らの瞼に焼き付いて離れなかった灼熱のカイザーラウテルンでのトラウマを、
この日ようやく解消できたのだ。
高齢化したオーストラリアは今後数年世代交代に苦しみ、当面日本の優位は揺るがないだろうし
逆にこの2011年中東の地で行われたアジアカップが、彼らにとってのトラウマになったとしたら。



アジアンフットボールの恐ろしさを再認識してこそ、彼らはようやく真の意味でアジアの一員になれた、
と言えるのかも。



あらためて。
混沌のアジアンフットボールへようこそ。
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