スポンサー企業に潜むリスクを考える

2013年12月28日 07:02

岐阜がチェルシー化か?と話題になってますね。


よそ様の話題でもありますし、債務超過チームのサポが偉そうに
口を挟む話では無いのですが、サッカークラブが生き残る為に
何を選択するのか、という意味で非常に興味深い。

海外ではロシア・中東・アジアマネーで一気に金満化したチームが
増えてきましたが、Jリーグの事象とはあまりに規模が違いすぎる話。
サッカーチームはお金があれば強くなる。けれど、お金さえ貰えれば
スポンサーやお金の出所ははどこでも良いのか?
今回の件を通して、ユニフォームスポンサー企業に潜むリスクについて、
少々雑文を綴っていこうと思います。


スポンサー絡みで悪い意味で何度も話題になったチームとしては
大分がまず頭に浮かびます。胸スポだったペイントハウスが経営破たん、
その後あの小室哲也の会社が収まるもスポンサー料の未払いがあり
その後は言わずと知れたマルハン問題。
大分の場合気になるのは大分県とは無縁の企業が数多く大口スポンサーに
名を連ねていたことです(小室哲也はKEIKOの故郷が縁でしたが)。
いずれの先も溝畑元社長の強引な営業力とコネで獲得した先が多く
且つこういってはアレですが常に若干きな臭い銘柄が目立ちましたね。


そして記憶に新しいのは湘南。
日本振興銀行という、与信供与をする立場の会社としてあり得ない、
設立たった6年での破たん。且つ幾つもの不正を働いていた怪しい銀行
が中心となっていた中小企業振興ネットワークのルートで、
胸にラ・パルレ、袖にNOVA、パンツにシノケングループという
スポンサーを得て、久々のJ1での2010年シーズンを万全の体制で迎えた。
ところがシーズン終盤の10/4にNOVAが身売り、10/5にはラ・パルレが
日本振興銀行の破たんで資金ショートし民事再生法申請。
シノケンGについては経営危機などは無かったものの
(但しこの会社も09年にゴーイングコンサーンが付記されている)
結果翌年にはこの3社はスポンサーから当然降りて、翌年に残ったのは
地元企業で2004年から長期に渡り支援していた産業能率大学のみで
J2降格もありユニフォームはシーズン通して3か所空白のままであった。


今回の岐阜のケース、実質的オーナーと言われるJトラスト率いる藤澤氏。
どんな企業体かと言えば、基本的には金融業であるが、保証事業が中核で
その他債権回収や貸金・カード事業などを行う先。
企業買収を繰り返し規模や組織を拡大しているので正直よくわかりませんが
買収先としては悪名高き旧日栄等の銘柄や消費者金融先が多く、一部には
良くない評判もあるとかないとか。

そして話題になっている通り、藤澤氏はフォーブスの個人資産ランキングで
日本の40位(800億)と発表されており、「無制限の補強資金」と言いたくなる
のもわかる。
ただ、我々庶民にとっては途方もない数字である800億の資産だけれど
経済界では「たかが800億」とまでは言いませんが「無制限」等と胸を張って
言える程の金額じゃないと思います。
この辺については、43歳、東大医学部出身、ライブドア関連子会社社長から
成り上がった新進気鋭の若社長の鼻息の荒さ故なんでしょうけど。


一方で消滅の危機にあった岐阜にとっては渡りに船であり、
恐らくこれ以外に残る術はないでしょうから、正に救世主。
当然の選択だと思います。
そして将来的なJ1昇格、来期は「とりあえず10位」的な軽いノリの目標
に向かい、ラモス監督の元、お友達人事で沖縄で悪名を広めてしまった永井
を参謀に、これまたお友達人事で三都主や大分の宮沢を呼んだりするみたいで、
何だか来期の岐阜、そしてJ2はとっても楽しそうです。


さて、親会社を持たない(持っていたとしても、どこも大企業は経営が厳しい中)
Jクラブが、運良く高額のスポンサーフィーを支払ってくれる企業と
巡り合えた際に、ただただ飛びついて良いものでしょうか?
現状、目先Jのクラブライセンス基準をクリアしないことにはクラブ消滅も
迫ってくる中、冷静な判断は出来ないのはやむを得ない話と思います。


でも、こんなことが起こったらどうでしょうか?

毎月払いとなっている大口のスポンサーフィーがシーズン中に滞ったら?
そのスポンサーが既存のユニフォームスポンサーより高条件を提示した為、
既存先を切り捨ててしまい、後にそのスポンサーが倒産してしまったら?
そのスポンサーが不祥事を起こし、チーム価値低下で他のスポンサーに影響したら?


愛するチームに多額のお金を提供してくれるスポンサー様は非常に有難い存在
ですが、もしかすると愛するチームに悪影響を与える先だってあり得るのです。


現にウチも石屋さんの偽装問題の際に、悪い意味でメディアに
「コンサドーレ札幌」の名前が何度も出て、当時は外部の人には象徴的な印象を
与えてしまった様に思います。
(個人的にも当時アウェイで京都サポにバカにされた経験あり)。
石屋さんの場合はサポにとっても大事な企業であり、上記のケースとは全く
相容れないケースですけどね。


通常そこそこの企業であれば、企業間で取引をする際には信用調査を行います。
手形は一般的ではなくなり、売掛での代金回収をする以上どこも慎重です。
私のやっている金融業は特に新規先の場合、この先なら問題無いだろうと営業し
やっと内諾を取った案件であっても、並行して決算資料を貰い審査を進めた結果
お断りするというケースも実際にはあります。
当然揉めるのですが、これは貸す側の回収リスクを考えればあり得ることです。


ここで双方のリスクを考える際に大事な考え方として、
「双方にとっての取引の必然性」がどこにあるのか、が重要なポイントです。
相手を騙そうとする場合、大抵これがありません。
これをあまり語れない経営者は、考え方が浅くすなわちビジョンがありません。
そして双方にとってこれが無ければ、利益が薄く取引するメリットがありません。


サッカーチームのスポンサーの場合であれば、取引の必然性という意味では
基本殆どのケースでサッカーに縁がない企業がスポンサードする訳で
その中で相手がスポンサードする必然性は何か?を考えることが
重要かと思います。それを十分吟味した上で判断するのがベストな方法です。


そういう意味で、札幌の既存のスポンサーはどこもその点がはっきりしている
印象です。札幌らしいスポンサーに恵まれているな、と感じますね。
そしていずれの先も長期スパンで支援してくれています。


我々のチームも決して経営が楽である訳じゃないけれど、
その点では今を幸せだと思うべきかな、と考えた次第。
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コメント

  1. くー@コンサ隊 | URL | WkD1iydg

    Re:スポンサー企業に潜むリスクを考える

    お久しぶりです。いつも拝見しております。
    今日のエントリーは、岐阜の件で、なにかストンと落ちないものを感じていた私に、そうか・・そういうことなのね。。とわからせていただくことのできたエントリーでした。
    コンサドーレはコンサドーレらしく、のの社長を先頭に、進んでいけたら良いなと思います。
    来年もよろしくお願いします。<(_ _)>

  2. たかおー | URL | -

    くーさん
    こちらこそお久しぶりです。
    本音を言ってしまうと金融という仕事柄、経営者には色んなタイプの方にお会いしますが、この手のタイプの先は必要にさらされなければ近づかない様にはしてます。まあ見極めが上手な人は良いんでしょうけど…まあ、私の主観です。
    来年も宜しくお願いします!

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